Intel NUCを外部グラフィックカード(GPU)でゲーミングPC化する

Intel NUCを外部グラフィックカード(GPU)でゲーミングPC化する方法と、対応機種をまとめました。

2020年8月18日

Categories: 自作PCガイド

想定するゲーミングPC

ゲーミングPCと一言に行っても、どの程度グラフィック性能を使うゲームをプレイするのかによって、必要なスペックが変わってきます。ブラウザゲームレベルであれば、Intel NUCはゲームPCとしては十分ですし、外部グラフィックカード(dGPU)が必要なゲームについては、Intel NUC単体ではプレイすることはほぼ不可能です。

今回は外部グラフィックカード(dGPU)が必要なゲームをIntel NUCでプレイする方法をみていきます。

Intel NUCで外部グラフィックカード(dGPU)を使う方法

PCI-Eスロット搭載モデルを選ぶ

一部モデルをのぞいて、Intel NUCには外部グラフィックカードを搭載するためのPCI-Eスロットが搭載されていませんし、そもそも外部グラフィックカードを搭載するだけのスペースもありません。

そんな中、Intel NUC 9 ExtremeとIntel NUC 9 Proは、Intel NUCで唯一、自分で外部グラフィックカードを取り付けできるモデルです。PCI-Eスロット搭載が搭載されていますが、搭載できるのはこのシリーズに対応した特殊なGPUだけとなっているのが注意点です。

モデル名 型番 CPU TDP
Intel NUC 9 Extreme NUC9i5QNX i5-9300H 45 W
Intel NUC 9 Extreme NUC9i7QNX i7-9750H 45 W
Intel NUC 9 Extreme NUC9i9QNX i9-9980HK 45 W
Intel NUC 9 Pro NUC9V7QNX i7-9850H 45W
Intel NUC 9 Pro NUC9VXQNX Xeon E-2286M 45 W

eGPUボックスを使う

Thundlerbolt3が公開されてから、対応製品がリリースされてきたのが外付けGPUケース(eGPUボックス)です。

電源付きのGPU専用ケースに、市販のGPUカードを取り付けることで、Thundlerbolt3接続でPCのGPUとして認識させることができます。

Intel NUCは、Thundlerbolt3に対応しているモデルがあるので、eGPUが利用できます。

この方法は、Thundlerbolt3に対応しているNUC全般で使えるほか、外部グラフィックカードを自分で選べるため、Intel NUC 9 ExtremeやIntel NUC 9 Proを購入するよりも、低価格でIntel NUCをゲーミングPC化することができます。

Thundlerbolt3に対応したIntel NUCは下記のモデルです。

型番 CPU TDP
NUC7i7BNH i7-7567U 28 W
NUC7i7BNHX1 i7-7567U 28 W
NUC7i5BNH i5-7260U 15 W
NUC7i5BNHX1 i5-7260U 15 W
NUC7i5BNK i5-7260U 15 W
NUC8i7HNK Core i7‑8705G 65 W
NUC8i7HVK Core i7‑8809G 100 W
NUC8i7BEH i7-8559U 28 W
NUC8i5BEH i5-8259U 28 W
NUC8i5BEK i5-8259U 28 W
NUC8i3BEH i3-8109U 28 W
NUC8i3BEK i3-8109U 28 W
NUC8i3PNH i3-8145U 15 W
NUC8i3PNK i3-8145U 15 W
NUC8v5PNH i5-8365U 15 W
NUC8v5PNK i5-8365U 15 W
NUC8v7PNH i7-8665U 15 W
NUC8v7PNK i7-8665U 15 W
NUC9i5QNX i5-9300H 45 W
NUC9i7QNX i7-9750H 45 W
NUC9i9QNX i9-9980HK 45 W
NUC9V7QNX i7-9850H 45 W
NUC9VXQNX Xeon E-2286M 45 W
NUC10i3FNH i3-10110U 25 W
NUC10i3FNHF i3-10110U 25 W
NUC10i3FNK i3-10110U 25 W
NUC10i5FNH i5-10210U 25 W
NUC10i5FNHF i5-10210U 25 W
NUC10i5FNHJ i5-10210U 25 W
NUC10i5FNKP i5-10210U 25 W
NUC10i7FNH i7-10710U 25 W
NUC10i7FNHC i7-10710U 25 W
NUC10i7FNK i7-10710U 25 W
NUC10i7FNKP i7-10710U 25 W

第7世代以降のCore iシリーズCPU搭載Intel NUCは基本的にはThundlerbolt3に対応しています。(第7、第8世代モデルには、一部非対応モデルもあり)

また、廉価版であるCeleron/Pentiumを搭載したIntel NUCは、基本的にThundlerbolt3には非対応です。

Intel NUCで外部GPUを使う際の注意点

CPUの性能がなるべく高いモデルを選ぼう

Intel NUC 9 ExtremeとIntel NUC 9 Proについては、そもそもハイエンドCPUが搭載されているので問題ありませんが、それ以外のIntel NUCで外部GPUを使う場合は、GPUの処理能力をCPU性能が足を引っ張ることことを注意しておきましょう。

基本的にIntel NUCのCPUは薄型ノートPCに採用される「Uシリーズ」なので処理性能が高くありません。特に、古い世代のIntel NUCであればあるほど、GPUの処理能力ではなくCPU性能がゲーミング性能のボトルネックなります。

できれば、第8世代以降の8コア以上のCPUを搭載したIntel NUCを選ぶようにしましょう。

電気代が高くなることを知っておこう

eGPUボックスを使う際は、eGPUボックス自体に高出力電源が搭載されていて、Intel NUC数台分の電気代を食います。Intel NUCが60Wくらいの消費電力に対して、eGPUボックスはグラフィックカードによっては200Wほど電気を消費します。Intel NUCと同じ感覚で使っていると、電気代が膨れあがるので注意しましょう。

騒音が大きくなる可能性もあり

また、GPUをフル活用するようなゲームだと、Intel NUCのCPUファンとeGPUのGPUファンが、どちらもかなりのうるさくなるため、環境によってはゲームの音が聞こえないということもありえます。普段は静かなIntel NUCも、負荷をかけるとかなりCPUファンがうるさくなります。特に、テレビのスピーカーでゲームをする際には大きな問題になるかもしれません。

せっかく高いeGPUボックスを買ってもうるさくて使えないので意味がないので、そうしたIntel NUCとeGPUケースの置き場所も考えた上で組むようにしましょう。


Intel NUCを外部グラフィックカード(GPU)でゲーミングPC化する方法を見てきました。

ここ1,2年で発売されたIntel NUCであれば、Thundlerbolt3に対応しているものがほとんどなのでeGPUで簡単にゲーミングPC化できます。

普段遣いの時はeGPUを外して静音PCとして使って、ゲームの時だけeGPUを取り付けるというのもありですね。

Intel NUCの使い道を広げてくれるIntel NUCのゲーミングPC化。ぜひ検討してみてください。

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自作PC歴20年のパソコン大好き人間。メインPCはMac、ゲームの時はWindows、仕事ではLinuxがメイン。ブログを書くときはChromebookが多め。

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