PC向け内蔵ストレージの規格・種類まとめ:確認方法と正しい選び方
PC向け内蔵ストレージの規格・種類をまとめました。自分のPCに対応する内蔵ストレージの確認方法や、HDD・SSDの正しい選び方まで。
2020年8月13日
PC向け内蔵ストレージの種類は「記録媒体」「接続方法」「サイズ」で分かれる
PC向けの内蔵ストレージは、大きく分けて
- 記録媒体
- 接続方法
- サイズ
で分かれます。
記録媒体が磁気ディスクかメモリか
記録媒体は、従来のPCで利用されていた磁気ディスクを利用した「HDD」と、メモリチップを利用した「SSD」に分かれます。
SSDには、HDDと同等速度しか出ない低速メモリを利用した「eMMC」という種類がありますが、eMMCは主にマザーボードにはんだ付けした内蔵ストレージとして利用されるので、今回は除外します。
それぞれの特徴は下記のようになります。
項目 | HDD | SDD |
---|---|---|
媒体 | 磁気ディスク | メモリ |
容量 | 大容量 | 通常 |
速度 | 遅い | 速い |
消費電力 | 多い | 少ない |
発熱 | 多い | 少ない |
接続方法は「SATA」か「NVMe」
PC向けの内蔵ストレージはマザーボードに接続して利用します。その際に接続する端子の規格がそのままストレージの種類になります。
現在では、SATAとNVMeの2種類が主な接続規格です。SATAは、HDDとSSDどちらにも利用されますが、NVMeは薄型のSSDでのみ利用されます。
また、NUCなど一部小型PCにはmSATAという見た目がNVMeに似ている接続端子もありますが、現在はほとんどのPC・マザーボードでより高速なNVMeに移行しています。
項目 | HDD | SDD |
---|---|---|
SATA | ○ | ○ |
NVMe | - | ○ |
mSATA | - | ○ |
かつてはIDEやSCSI(スカジー)という接続方法もありましたが、現在はほぼ利用されていません。
内蔵ストレージのサイズ
内蔵ストレージのサイズは、HDDとSATA接続のSSDでは、「3.5インチ」「2.5インチ」「1.8インチ」が主なサイズ規格です。
3.5インチはHDDで利用され、2.5インチはHDD・SSD共に存在します。1.8HDDはかつて小型ノートPCで採用されていましたが、現在はSSDに置き換わっています。
また、薄型のNVMeは別のサイズ規格が採用されていて、メモリの縦横がサイズ規格になっています。例えば、「NVMe type 2280」であれば縦が22mm横が80mmのサイズのNVMeメモリです。
現在は、NVMe type 2280が主に利用されています。
項目 | HDD | SDD |
---|---|---|
3.5インチ | ○ | - |
2.5インチ | ○ | ○ |
1.6インチ | ○ | - |
type 2280 | - | ○ |
type 2260 | - | ○ |
type 2240 | - | ○ |
自分のPCの対応ストレージの確認方法
メモリと違って、自分のPCがどのタイプの内蔵ストレージが対応するかでチェックすべきポイントは「接続方法」だけです。接続方法が対応していれば、HDDでもSSDでもどちらでも接続可能です。
PCによっては複数台のストレージを接続可能なため、自分のPCが対応している内蔵ストレージの接続方法を確認するのは、PCやマザーボードのメーカーサイトの公式スペックを確認するのが確実です。
もし、PCの分解やマザーボードの知識があるのであれば、分解して直接確認しても良いでしょう。
内蔵ストレージの正しい選び方
OS用にはSSDを、記録用にはHDDを選ぼう
内蔵ストレージは、HDDにするかSSDにするかで1GBあたりのコスパが大きく変わってきます。
2020年現在で、HDDが1GBあたり2円くらい(4TBで8,000円ほど)になっているの対して、SSDは1GBあたり10円以上(500GBで7,000円前後)で5倍近い価格差があります。
もしOSをインストールするストレージで利用するのであれば、高速な動作が快適性に繋がるのでSSDを選びましょう。OSやアプリが利用する分なので、サイズは大きくても256GBほどあれば十分でしょう。
一方、動画や大量の写真などの大容量データを保存するのであれば、SSDではコスパが悪いためHDDにした方が良いでしょう。
ただし、動画編集や写真のRAW現像など「大容量のファイルをアプリで処理する」場合は、HDDだと処理速度がボトルネックになってしまうので、価格は高くてもSSDにした方が無難です。
SSDは偽物に注意しよう
複雑な構造で偽装が難しいHDDに比べて、メモリチップを載せているだけのSSDは偽装品が多く出回っています。
Western Digitalやトランセンドなどの大手メーカーの公式品であれば安全ですが、聞いたことのない中華メーカーなどは容量偽装品が紛れていることがあるので注意が必要です。
日本国内に流通している内蔵ストレージ向けSSDメーカーで安心なのは下記のメーカーです。
- crucial
- SANDISK
- WESTERN DIGITAL
- CFD
- ADATA
- サムスン
- トランセンド
- インテル
- Silicon Power
- キングストン
これらのメーカーの正規品であれば詐欺品はまずありません。Amazonや楽天などのモールで買うのであれば、販売者がAmazonかメーカーの直営店、ソフマップなどの大手PC専門店なら問題ないでしょう。また、トラブルがあってもメーカーか代理店がしっかり対応してくれますので安心です。
交換ができないPCもある
主にノートPCでは、内蔵ストレージをマザーボードに直付けしているモデルもあります。Appleの最新MacBookシリーズなどはそれにあたります。
そうしたPCでは内蔵ストレージを自分で交換・換装することはできないので、USBメモリなどでストレージ容量を追加するようにしましょう。
PC向け内蔵ストレージの規格・種類まとめ:確認方法と正しい選び方の目次
著者
自作PC歴20年のパソコン大好き人間。メインPCはMac、ゲームの時はWindows、仕事ではLinuxがメイン。ブログを書くときはChromebookが多め。
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