マルチディスプレイをするためのBTOの選び方

マルチディスプレイをするためのBTOの選び方をまとめました。GPUの種類ごとの対応枚数や、iGPUとdGPUを同時利用したコスパの高いディスプレイの増やし方など。

2020年6月26日

Categories: 自作PCガイド

GPUの種類でマルチディスプレイは変わる

BTOでパソコンを作る場合、外部ディスプレイへの出力はGPUの種類によって分かれます。

  • CPUのiGPUから出力
  • 独立グラフィックボード(dGPU)から出力

大きくわけて、この2つのパターンになるでしょう。

iGPUの場合はCPUの出力能力に依存する

独立GPUを搭載していないPCの場合、マルチディスプレイのスペックは、

  • CPUの規格で最大枚数が決まる
  • マザーボードの規格で出力ポートが決まる

で決まります。

例えば、Intel Core i5 9500プロセッサを搭載したPCの場合、CPUの規格上の最大ディスプレイ枚数は3枚となっているため、マザーボード側にいくら外部出力ポートが3つ以上あったとしても、同時出力できるのは3枚までです。

インテル® Core™ i5-9500 プロセッサー | Intel

まずこのCPUで外部出力は3枚までと決まったあとに、選んだマザーボードによって出力ポートのタイプが決まります。

dGPUの場合はグラフィックボードのスペックで拡張される

dGPU搭載PCの場合、2つの利用ケースが想定されます。

  • iGPUとdGPUどちらも外部出力に利用する
  • dGPUのみで外部出力を利用する

dGPUのみ利用する場合は、dGPUの最大ディスプレイ出力スペックと搭載ポート数に依存します。

例えば、玄人志向の「玄人志向 NVIDIA GeForce GTX 1650 GF-GTX1650-E4GB/OC/DF」であれば、出力ポートが、

  • DisplayPort x 1
  • HDMI x 1
  • DVI-D x 1

の3ポートで、GeForce GTX 1650の同時出力が3ディスプレイなので、すべてのポートを使って最大3枚まで外部ディスプレイに出力が可能です。

NVIDIA GEFORCE GTX 1650 搭載 PCI-Express グラフィックボード | 玄人志向

番外編:iGPUとdGPUを同時に利用する方法

少しトリッキーなやり方ですが、iGPUとdGPUを両方利用して出力する方法もあります。

この場合、iGPUの最大枚数とdGPUの最大枚数の足し算になるので、先程のCore i5 9500 + GeForce GTX 1650の組み合わせでは理論上は6枚のディスプレイに同時出力が可能です。

業務用PCやデイトレード用などで3枚以上のディスプレイを利用する場合はこの方法がコスパよくディスプレイ枚数を増やせます。

実際に6枚のディスプレイ出力ができるかは、

  • OS側の最大ディスプレイ枚数は何枚か
  • マザーボード側がiGPUとdGPUの同時出力に対応しているか

によります。

こちらの実験によると、Windowsでは最大16枚のディスプレイまで対応しているようですので、WindowsであればOS的には6枚でも問題ないでしょう。

マザーボードの仕様についてはメーカーによるため、購入前にそれぞれのメーカーのHPなどで確認しましょう。

具体的にはUEFIでそれに相当する設定項目(IGPU Multi Moniter、CPU GraphicsMulti-Monitorなど名称はそれぞれ)があれば、iGPUとdGPUの同時利用ができる可能性が高いでしょう。


マルチディスプレイをするためのBTOの選び方を見てきました。

2〜3枚くらいなら普通のBTOでも対応していることが多いので問題ありませんが、それ以上と少々専門的な知識が必要なジャンルでもあるので、マルチモニタモデルを販売しているBTO専門店で購入すると確実でしょう。

マルチモニタモデル | TSUKUMO

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自作PC歴20年のパソコン大好き人間。メインPCはMac、ゲームの時はWindows、仕事ではLinuxがメイン。ブログを書くときはChromebookが多め。

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