CPUベンチマークを使いこなそう

かつてはPCファンのものと言われたCPUベンチマークも、いまはパソコンを買う時の大事な指標の一つ。ベンチーマークを使いこなして、最適なパソコンを探しましょう。

2020年7月3日

Categories: 自作PCガイド

CPUベンチマークとは

開発元が独自のアルゴリズムで、CPUの性能を計測するソフトウェアです。

PCやMacでは、CinebenchGeekbenchが定番ベンチマークソフトとして利用されます。

通常CPUの性能は、CPUベンダーかPCメーカーが「前の世代よりXX%高速化!」などと宣伝するくらいで、「何がどれくらい高速化された」のかはよくわからないものでした。

しかし、ベンチマークソフトの登場と普及によって、多くのユーザーがベンチマークデータをネット上に公開したため、CPUの性能が「数値化」されて、世代やモデル、メーカーの違うCPU同士でも簡単に性能比較ができるようになりました。

ベンチマークを使いこなすメリット

性能を見える化することができる

新しいPCを購入する時に重要視する指標は、デザインやブランドなど様々ですが、「処理性能」というのは一つの大きな指標です。しかし、この性能というのは数値化されないと「良いのか悪いのか」判断ができません。

ベンチマークソフトを利用すると、搭載されているCPUの型番からある程度の処理性能がわかります。GeekbenchはWeb上でCPUのモデルごとのベンチマーク結果を公開しているので、

  • 今のパソコンよりもどれくらい性能があがるのか
  • 比較しているPC同士でどれくらい性能差があるのか

というのが、ひと目でわかるようになっています。

レビュー記事の宣伝に迷わされなくなる

ネット上のレビュー記事などでよく「ハイエンドなCPUでメモリが5万円コミコミは安いですよね」なんて書いてあるのをよく見ますよね?しかし、大手メディアのレビュー記事を除いて、そういった記事は「何に対してハイエンドなのか」は当然伝えません。(広告費をもらっているからなのか、単純に知識がないのかはわかりませんが)

CPUの世界では「ハイエンド」は発売年代で変わります。

例えば、Intelのコアファミリー第3世代・Core i7 3770は、発売された2012年当時はハイエンドでした。一方で、Intelのコアファミリー第8世代・Core i3 8300は、いわゆるローエンドモデルですが、Geekbenchで両CPUスコアを比較するとハイエンドだったCore i7 3770よりも高いスコアを出しています。

CPU シングルコア マルチコア
Core i7 3770 798 3076
Core i3 8300 1000 3309

参考:

Intel Core i7-3770 Benchmarks

Intel Core i3-8300 Benchmarks

PCにおけるローエンド、ハイエンドという比較は、あくまで同じ世代か近い世代のCPUでしか通用しません。

ましてや、CPUのブランドの違う場合(CoreシリーズとCeleron、CoreシリーズとRyzenなど)は、ハイエンドかローエンドかはもはや比較対象としては成立しないのです。大事なのはあくまで実際の処理能力、つまりベンチマークスコアなのです。


ベンチマークはかつては「スペックを追求するPCファンがやるもの」というイメージがありましたが、現在ではパソコンの性能を知る手助けになる重要なツールです。

先程紹介したGeekbechは、英語サイトではありますが初心者の方でも簡単にわかるようなサイトになっているので、パソコンを購入する際は、ネット記事などの「ハイエンド」に惑わされないで、ぜひ実際の数値で判断するようにしてください。

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著者

自作PC歴20年のパソコン大好き人間。メインPCはMac、ゲームの時はWindows、仕事ではLinuxがメイン。ブログを書くときはChromebookが多め。

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